先日は「配当金で月3万円・月10万円を目指すなら、元手はどれくらい必要か」を計算してみました。(前回の記事はこちら)
目標に必要な金額が見えてくると、次に気になるのが「実際に配当金が入ってきたら、どう使うのか」という点でした。今回は、配当金の使い道をどう考えるかを整理してみたいと思います。
配当金の使い道は大きく3つに分けられる
配当金を受け取ったあとの使い道は、細かく見ればいろいろありますが、整理すると大きく3つに分けられると感じています。どれか1つに決める必要はなく、組み合わせることもできますが、まず全体像を持っておくと迷いにくくなると思います。
– 再投資する(配当金で株や投資信託を買い増し、次の配当を増やす)
– 生活費やお小遣いに使う(配当金を日々の暮らしの支えにする)
– 現金のまま貯めておく(生活防衛資金や、まとまった支出への備えにする)
再投資するメリットと注意点
再投資の一番のメリットは、保有する株数が増えることで、翌年以降の配当金も増えていく点です。たとえば年12万円の配当金を、利回り4%の銘柄に再投資したとすると、翌年からは年に約4,800円(12万円×4%)ほど配当金が増える計算になります。金額だけを見ると小さく感じますが、これを毎年繰り返すことで少しずつ積み上がっていくところが、再投資の力だと感じています。
一方で、注意しておきたい点もあります。再投資を続けると、特定の銘柄やセクターへの偏りが大きくなることがあります。また、配当金を手元に残さないため、「配当金を受け取っている実感」は得にくくなると思います。
– 配当が増えるスピードが上がる(買い増した分が、次の年から配当を生む)
– 偏りに注意が必要(同じ銘柄ばかり買い足すと、分散が崩れやすい)
– 手元にお金が残らない(使えるお金は増えないので、生活費の補填には向かない)
使う場合のメリットと注意点
配当金を使うことのメリットは、投資の成果を実際の生活で感じられることです。投資を続けるモチベーションにもつながりますし、将来、配当金を生活の一部にしたいと考えている人にとっては、使い方の練習にもなると思います。
注意したいのは、特定口座の場合は約20.315%の税金が引かれたあとの金額が入ってくる点です。たとえば年12万円の配当金(税引前)であれば、手取りは約9.6万円、月に直すと約8,000円ほどになります。新NISA口座であれば非課税なので、同じ12万円がそのまま手元に入ります。使い道を考えるときは、税引前の金額ではなく手取りの金額で考えておくほうが、あとで「思ったより少なかった」となりにくいと感じています。
また、配当金を使い続けると、保有株数は増えません。増配がなければ、受け取れる配当金も年々ほとんど変わらないことになります。
使い道を決めるときの数値の目安
使い道に迷ったときは、「今の配当金が、生活の中でどれくらいの存在感があるか」を基準に考えるとわかりやすいと感じています。一つの目安として、「年間の配当金(手取り)が12万円、つまり月1万円を超えるまでは、全額を再投資に回す」という考え方があると思います。
月1万円を下回る段階では、使ってしまうと実感としても金額としても小さく、再投資したほうが長い目で見て効果が大きいと考えられます。逆に、月1万円を超えてくると、生活費の一部として使っても家計への影響を感じられるようになり、一部を使ってみる、という選択肢も現実的になってきます。ここで挙げた12万円という金額は、あくまで私が設定した目安であり、家計の状況や投資の目的によって変わってよいものだと思っています。
– 年間の配当金(手取り)が12万円未満:全額再投資を基本にする(金額が小さいうちは、増やすことを優先する)
– 年間の配当金(手取り)が12万円以上:一部を生活費に回すか検討する(実感を得つつ、残りは再投資を続ける)
– 生活防衛資金が足りないとき:配当金を先に現金で貯める(投資より先に、まず備えを整える)
受け取り方法とのつながりも意識したい
使い道を決めるときには、配当金をどの方法で受け取るかも関係してくると感じています。証券口座で受け取る方法と、銀行口座で受け取る方法では、再投資のしやすさや、税金の扱いが変わることがあります。たとえば、証券口座で受け取っておけば、そのまま買い増しに使いやすいというメリットがあります。受け取り方法の違いについては、以前の記事でまとめていますので、あわせて読んでいただけると嬉しいです。(配当金の受け取り方法についてはこちら)
正解を探すより、目的に合わせて決めたい
調べてみて感じたのは、配当金の使い道に唯一の正解はなく、「今の自分が何を優先したいか」で選ぶものだということです。資産を大きくしたい時期は再投資、生活の支えにしたい時期は使う、という具合に、状況に合わせて見直していけばよいと考えています。
大切なのは、配当金が入ってから場当たり的に使うのではなく、入ってくる前に「このくらいまでは再投資、これを超えたら一部を使う」という自分なりのルールを決めておくことだと思います。ルールがあるだけで、相場が動いたときや気持ちが揺らいだときにも、判断がぶれにくくなると感じています。
まとめ
– 配当金の使い道は、再投資・使う・現金で貯めるの3つに大きく分けられる
– 再投資をすると配当が増えるが、偏りや手元資金の少なさには注意が必要
– 使う場合は、税引後の手取り額で考える(特定口座は約20.315%が引かれる)
– 目安として、年間の手取り配当が12万円(月1万円)を超えるまでは全額再投資を基本にする
– 正解を探すより、自分の目的と時期に合わせてルールを決めておく
次回予告
次回は、「権利確定日の前に確認しておきたいこと」についてまとめる予定です。配当金を受け取るために欠かせない権利確定日の仕組みを、初心者の視点で整理してみたいと思います。
内部リンク
– 配当金で月3万円・月10万円を目指すなら、元手はどれくらい必要か(85本目)
– 配当金を再投資すると、元手はどれくらいのペースで増えるのか(84本目)
– 配当金で月1万円を目指すには、どれくらいの元手が必要か(83本目)
– 配当金の受け取り方法、4つの違いを確認しておく(80本目)
免責事項
本記事は筆者個人の学習・記録を目的としたものであり、特定の銘柄や金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。税制や制度は変更される場合があるため、最新の情報は各公式サイトでご確認ください。
コメント