配当金を再投資すると、元手はどれくらいのペースで増えるのか

配当金投資

83本目では、

配当金で月1万円を目指すには、どれくらいの元手が必要か

という記事で、利回り4%なら約300万円が目安になると整理しました。今回は、その300万円に近づくスピードが、受け取った配当金を再投資するかどうかでどれくらい変わるのかを、簡単なシミュレーションで確かめてみたいと思います。

シミュレーションの前提条件

今回の計算は、実際の運用結果を予測するものではなく、考え方を確認するための簡易的なものです。条件は次のとおりです。

– 配当利回りは年4%で固定(実際は株価や配当額が毎年変わるため、あくまで目安)

– 株価の値動きや増配・減配は考えない(元手の金額はすべて投資額ベースで計算)

– 税金は考えない(NISA口座で非課税の場合を想定。特定口座では約20.3%が差し引かれる)

– 配当金は年に1回、まとめて受け取る前提(実際は年2回などが多いが、計算を単純にするため)

初期100万円だけを投資した場合

まずは、最初に100万円を投資して、そのまま追加では積み立てないケースです。再投資しない場合は、毎年4万円の配当金(月換算で約3,333円)がずっと変わらず入り続けます。再投資する場合は、年数とともに元手が増えて、受け取る配当金も増えていきます。

– 5年後:元手約122万円、月換算の配当金は約4,056円

– 10年後:元手約148万円、月換算の配当金は約4,934円

– 20年後:元手約219万円、月換算の配当金は約7,304円

– 30年後:元手約324万円、月換算の配当金は約10,811円

再投資をしないと、30年たっても月換算は約3,333円のままなので、30年後には3倍以上の差がつく計算です。ただし、100万円だけで月1万円に届くまでには約29年かかるので、この方法だけで目標を目指すのは現実的ではないと感じました。

毎月3万円を積み立てた場合

次に、最初の100万円に加えて、毎月3万円ずつ追加で投資していくケースです(毎月3万円という金額は、あくまで計算しやすい例です)。ここでは、再投資ありと再投資なしの差がはっきり出ます。

– 5年後:再投資ありで元手約324万円(月換算約10,815円)、再投資なしで元手約280万円(月換算約9,333円)

– 10年後:再投資ありで約598万円(月換算約19,918円)、再投資なしで約460万円(月換算約15,333円)

– 20年後:再投資ありで約1,334万円(月換算約44,467円)、再投資なしで約820万円(月換算約27,333円)

– 30年後:再投資ありで約2,424万円(月換算約80,805円)、再投資なしで約1,180万円(月換算約39,333円)

83本目で目安にした「月1万円」には、再投資ありなら約5年、再投資なしでも約6年で届く計算です。ただ、年数がたつほど差は広がっていき、20年後には再投資の有無で月換算に約1.7万円の差、30年後には約4万円の差になりました。

シミュレーションから感じたこと

計算してみて意外だったのは、最初の数年は再投資の効果がほとんど目立たないことです。5年後の差は、元手で約44万円、月換算で約1,500円ほどでした。再投資の効果は、時間がたつほど雪だるま式に大きくなる性質があるため、短期間では実感しにくいのだと思います。

また、今回は株価が変わらず、利回りも4%で固定という前提なので、現実はもっとブレます。株価が下がった時期は同じ金額でより多くの株数を買えますが、減配があれば配当金は減ります。計算結果は目安として受け止めて、数字どおりになるとは考えないようにしたいと思っています。

再投資をするときに意識したいこと

再投資は、ただ配当金で買い増せばよいというわけではないと考えています。73本目で整理したとおり、買い増しは「買う理由が今も変わっていないか」を確認してからにしたいところです。

– 配当金が入ったら自動的に同じ銘柄を買うのではなく、保有銘柄の状況を確認してから買う先を決める

– 76本目で整理したセクター分散を意識して、偏りが出ていない銘柄に回すことも選択肢に入れる

– 生活防衛資金が足りているかを確認してから、再投資に回す

まとめ

今回整理したポイントは次のとおりです。利回り4%固定の簡易計算では、初期100万円だけの場合、再投資をしても月1万円には約29年かかります。毎月3万円を積み立てる場合は、再投資ありで約5年、再投資なしで約6年で月1万円に届き、20年後には月換算で約1.7万円の差がつきました。

再投資の効果は時間がたつほど大きくなる一方で、実際は株価や配当額が変わるため、数字はあくまで目安です。再投資するときも、買う理由の確認とセクター分散は忘れずに行いたいと思います。

次回は、特定口座とNISA口座で、配当金の手取りがどれくらい変わるのかを、同じ前提で比べてみたいと思います。

内部リンク

– 配当金で月1万円を目指すには、どれくらいの元手が必要か

– 買い増し判断について

– 高配当株のポートフォリオでセクターを分散させる理由

免責事項

※この記事は、個人の考えをまとめたものであり、特定の銘柄や金融商品を推奨するものではありません。計算例は、利回り・株価・税率などを固定した簡易シミュレーションであり、実際の運用結果を保証するものではありません。

投資には株価変動、減配、無配、元本割れなどのリスクがあります。

最終的な投資判断は、ご自身の責任でお願いいたします。

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